小さな町工場でとある機械を作っています。職場は明るいが窓がなく外が見えない、低い天井と切削油の臭い、モーターとエアー工具の音がうるさい狭い部屋で朝から晩まで部品を洗浄している。部品の洗浄が自分の仕事だ。
仕事の流れは、
- 部品を組立順に並べ台車に乗せる
- 付着した油やほこりを洗浄する
- 組立のお嬢さんに部品を届ける
- 組立が済んだら台車を回収する
今回問題になっていることは、台車が多すぎる。減らしなさい!という話です。
台車の数は、とてもたくさんある。(数えたことが無い)
これまでお嬢さんたちの部屋に洗浄したパーツを乗せた台車置き場があり、お嬢さんたちが自分の必要な台車を引き取りに行く。作業が終わったら空き台車置き場に戻す。という流れだった。台車置き場と洗浄職場の往復はウメさんが人力で運んでいました。
改善後は、
- 組立のお嬢さんが呼出しボタンを押す。
- 自動搬送システムが察知し、空き台車を自動回収する。
- それぞのお嬢さんたちが、次にどの台車を必要としているのかを認識する。
- 必要な台車を自動搬送する。
このようなとても画期的な自動搬送システムになるのです。トヨタ生産方式のジャストインタイムなのだ。わずか1ヶ月の短期間でここまでシステム化がされたのです。
実際の運用は明日からです。
しかし、ここで現場側にシステム上の問題があります。
それは自動搬送システムという業務を担当する人(ウメさん)です。驚いたことに肝心の部分はすべて人力のシステムなのです。
唯一のハイテク兵器はファミレスピンポンです。
ピンポンが鳴ったら、男気あふれるウメさんが走り回って対応することになりました。
- ピンポンが鳴る。
- ウメさんがどこのお嬢さんがピンポンを押したのか見に行く。
- どの台車が必要か確認する。
- 空の台車を回収して、部品庫に届ける。
- 必要な台車を押していく。
今ですらウメさんは多い日で1日に3万歩歩いています。
今年の1月からこの仕事初めて7キロやせたそうです。
あしたは飲み会なのでいっぱいのんでもらいたいです。